災害お見舞いのマナーについて
お見舞いのマナーについて
風水害、地震、火事は、突然襲ってくるもの。心の準備もないまま被害に遭った人は、大きなショックを受け、心細さ感じているはずです。
◎被災者が近くにいる場合の心遣い
「近くにいるなら、とりあえず相手の家族分の軽食と飲み物程度をもって駆けつけましょう」
「できれば、片付けなどを手伝い、当座必要なもの差し入れを申し出る」などすれば、相手も心強いものです。
「状況によっては、被害にあった家族を自宅に宿泊させたり、子どもやお年寄りを自宅で預かる旨を申し出たりします」
実際に身を寄せるかどうかは別として、こうしたあたたかい申し出は、相手にとってのなによりのお見舞いといえるでしょう。
なお、火事の場合は、出火元であるときはもちろんのこと、もらい火であっても、出火の原因を根掘り葉掘り尋ねることは慎みます。
◎被災者が遠くにいる場合の心遣い
安否が気遣われる場合、被害が大きかったと推測される場合は、電話で相手の声を聞いて安心したいというのが人情でしょう。
しかし、被害直後の相手は、幸いにして無事であっても、片づけなどの対応に忙しいときです。電話が来るたびに、一人一人に被害の様子を説明したり、お見舞いへのお礼を述べたりするのでは、相手も大変です。
「直後の電話は、家族以外は控えましょう」
安否や被害の様子をしりたいときは、被災者の家族に連絡をします。
そうでなければ、「いたわりの手紙とともに、お見舞いの品を送るのが、相手に負担を与えない方法」といえます。
◎お見舞い品のマナー
被害の程度にもよりますが、「お見舞いの品は、毎日の生活にすぐに必要な実用品がよい」でしょう。電話が通じるのなら、必要なものを相手にリクエストしてもらい、それを送るのが一番です。
電気、ガス、水道といったライフラインにまで被害が及んでいるときは、とりあえず食料の心配をします。飲料水やレトルト食品、缶詰などのほか、カセットコンロとボンベなども重宝するものです。
赤ちゃんのいる家庭なら、粉ミルクや紙おむつ、
子どもがいる家庭なら、年齢の大きさの洋服や下着、靴下なども、何枚あってもよいものです。
電気や水道が通っていても、災害の直後は洗濯もままならないので、下着などは特に喜ばれるでしょう。
いずれにしろ、相手の被害状況、家族構成、季節なども考えて、相手のお宅に本当に必要なものをお見舞いとして贈りたいものです。
◎お見舞金のマナー
災害見舞いの場合は、「相手が目上の方でも、現金を贈っても失礼にはなりません」。町全体が被害を受けたような場合は別として、お金さえあれば必要なものを買うこともできますし、その後の家の復旧にも費用がかかるからです。
ただ「お金が必要でしょうから」というニュアンスが伝わるのは避けたいので、『「当座必要なものがわかりませんので、失礼とは存じますが」のひと言を添える』よう、心がけます。
◎お見舞い用袋の注意点
なお、市販のお見舞い用袋は、左に赤い帯がついているものが一般的です。火災にあった人は、赤い色に拒否反応を示すこともありますので、配慮しましょう。
おすすめな品物について
食品・・飲料水、インスタント食品、レトルト食品、缶詰類など。
医療品・衛生品・・救急箱、生理用品、洗面用具、ひげそり用具、石鹸、シャンプー、リンスなど。
衣料品・・毛布、下着・靴下類、タオルなど。
その他・・コンロ、食器、ティッシュペーパー、軍手、ライター、懐中電灯、筆記用具、傘など。
金額の相場について
贈り先と自分との関係により、若干金額が変わってきますのでご注意ください。
両親・子ども:3万円~
親戚:5千円~
近隣の人:3千円~1万円
会社関係:5千円~
お見舞金に添えるビジネス相手への手紙の文例について
御地で大地震が発生し、甚大な被害が出ているとの報道、大変心配しております。平岡さまにお聞きしましたところ、貴家も半壊されたとのこと、謹んでお見舞い申し上げます。ご家族の皆様におけががなかったことがせめてもの救いと存じます。
しばらくは余儀なく避難所生活を送られるとのことですが、なにか当方にできることがありましたら、なんなりとお申し付けください。当座に必要なものがわかりませんので、失礼ながらお見舞いを同封させていただきました。
まずは取り急ぎ、お見舞いを申し上げます。
「冠婚葬祭 常識事典」より
「手紙・はがき・文書文例大事典」より